水を飲むだけで痩せるって本当?
- Ken
- 2月2日
- 読了時間: 4分
更新日:2月10日

「水を飲むだけで痩せる」こんな話を聞いた事はありますか?
日々ダイエットに四苦八苦している方にとっては、夢のような話ではないでしょうか?
人によってはそんなうまい話嘘に決まっていると、切って捨ててしまう人もいる事でしょう。
この記事では、そんな嘘みたいな話について真面目に紐解いていきたいと思います。
目次
鍵はホルモン物質「バゾプレッシン」
最近の研究では水を飲むと分泌されるホルモン物質「バゾプレッシン」を調節すると、糖尿病・肥満の予防や治療に有益である可能性があると証明されています。
「バゾプレッシン」は高利尿ホルモンの事で、腎臓に影響を与え尿として排出される水分を吸収し尿の量を減らすことで体内の水分量を適正に維持をする働きを持つホルモン物質です。
この「バゾプレッシン」が分泌されないと尿崩症となり透明な尿が延々と出てしまうことで、脱水症状を引き起こしてしまいます。
あまり知られていませんが、とても大事な役割を担っているホルモン物質です。
ビールなどの利尿作用の高い飲み物を飲むと、ほぼ無色な尿が出るといった経験をした事のある方は多いと思いますが、これはアルコールが脳に影響を与えた結果「バゾプレッシン」の分泌量が低下した事で、軽度の尿崩症を引き起こしていると考えられています。
認知度に比べて、多くの方が身近で影響を感じている原因になっているホルモン物質でもあります。
「バゾプレッシン」のもう一つの顔
実験用マウスを使用したコロラド大学の研究で、砂糖水を与えたマウスの脳が刺激される事により「バゾプレッシン」が分泌される事が確認されています。
ならば身体にいいのでは?と思いますが、「バゾプレッシン」にはもう一つの隠された顔があったのです!
それは、このホルモンが分泌される事で再吸収した身体の水分は脂肪として蓄えられるという多くの人が見過ごせない作用も持ち合わせている事が確認されています。
これまでにも、肥満体質・糖尿病患者の方の身体の中には「バゾプレッシン」の数値が高い事が分かっていました。
また、砂漠のイメージの強いラクダもこの数値が高く水を脂肪として蓄える手助けをしています。
そう、ラクダの背中にあるコブは「バゾプレッシン」によって身体の水分が脂肪として蓄積された代物であるといわれています。
要するに肥満糖尿病などの原因でもある、糖類(特に果実やハチミツに含まれる果糖)の摂取により「バゾプレッシン」が分泌された結果、体内の水分を蓄えようと脂肪に変えてしまうということなのです。
そうなると更に身体の脱水が進んでしまう事になり、水を身体に蓄えようと「バゾプレッシン」が活性化するといった悪循環が発生します。
それだけではなく、「バゾプレッシン」には血管を収縮・血圧上昇といった作用もありこのホルモンが多く出ているという事は、メタボリックシンドローム不可避といった状態であるともいえます。
渇きは肥満をつくる
結果、研究では「バゾプレッシン」の分泌を抑える事が肥満・糖尿病の予防になると結論づけています。
すなわち、身体の水分が十分足りていれば「バゾプレッシン」の出番は無くなるという事です。
これが、水を飲むだけで痩せるという夢のような話の真相です。
この実験はマウスでのみ行われた実験ですが、人でも同じような結果の出る可能性が高いといわれています。
また、スウェーデンで行われた健康な成人を対象とした食事内容を一切変えずに摂取する水分量だけを増加させるという実験でも、血糖値や「バゾプレッシン」の値が減少する事が分かっています。
まとめ
どうだったでしょうか?
今回の夢のような話にもしっかりとしたエビデンスが存在していました。
単純に水を飲むだけという事でも、身体にはこれだけの影響があるという事を分かって頂けたかと思います。
食事改善コンサルティングをしている身である私は個人的に「水を飲めば痩せる」ではなく、「肥満の人は水分摂取が少ない」という方がしっくりときます。
また、1日に2リットル以上飲む女優・モデルのお仕事をしている方のお話をよく耳にするのを考えると、今回の話にあるホルモンの分泌を考えた的確なボディメイク術であると、改めて気づきを得ることが出来ました。
この記事をご覧の皆様も乾燥した空気が続くこの季節、改めてご自身の身体の水分量に目を向けてみてはいかがでしょうか?
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